なんでもかんでも思ったこと晒してしまう人って身近にいませんか?
自らの不幸話にはじまり、昔やってたやんちゃ話、現在進行形の恋愛に至るまでつまびらかにご披露される。こういうのを「距離なしさん」というらしいのですが、私にはこの「距離なしさん」がおバカに見えてしかたないのです。
バカとつけるくらいですから、強烈な嫌悪を抱いているのです。「距離なしさん」は一体何をいらだたせているんでしょう。
距離なしさんの恐ろしさ
距離なしさんは、一般的な人とスタンスが違います。心の口をあんぐりとあけて、「誰か分かってくれる人いないかな~」と周りを見渡しています。そして傍にいる誰かと話してみて、気のよさそうな感じがしたら、間髪いれず身の上話を始めます。
距離なしさんにとって、一人で居ることほど辛いことはない。一刻も早く誰かに分かって、慰めて(正当化して)欲しいのです。それは彼らの大半が「大丈夫だろうか?」という不安で占められているからです。
感情に乗っ取られた人格は、人格などという立派なものは失っています。感情に振り回されるがままに、言っていいことと悪いことの判別なく、ほとばしる思いをぶちまけてきます。
そのときの目は、生き生きと、いやギラギラと光っています。
なぜおバカ者と思うのか
感情の戻るべき場所は、いうまでもなく当人です。ところが距離なしさんは、感情をべたーべたーとこすりつけます。汚くて、臭くて、べちょべちょしたものをすりつけられて嬉しい人などいません。
みんな逃げ回ります。それでも執拗にこすりつけてくるので、嫌われたあげく、「おバカ者」とののしられるのです。
どんな人も等しく「独立」と「自立」を求められます。その気概を持つことが、感情をそのまんまは言わない賢さを身につけさせます。思ったことを、思ったままにというのは、「自立」とは真逆の「依存」です。
人を使って感情をなんとかしようとする、卑劣な行いです。
不倫の告白は大迷惑
不倫の告白などは、その最たるもので、不倫したけりゃその苦しみまで受入れな、といつも思います。間違っても誰かに話してはいけない。道ならぬ道をわざわざ踏み外したのだから、責任は自分で負うしかないのです。
それを彼と会えないから不安だとか、奥さんにばれたらどうしようとか。なめんじゃねぇと思います。てめえのケツもまともにふけないなら、最初からそんなところに足をつっこまなきゃいいんです。身の丈にあった恋をしろ。
不倫を聞かされた方は、バレたときに、肩を持ったとか手を貸したとか、法的リスクにさらされます。そんなのどっこいゴメンです。
不倫の苦しみに耐えられないなら、誰にも話さず、速攻で不倫を止めてください。
スッキリは全然スッキリじゃない
「話してスッキリした」とよくいいますが、それは当人だけで、聞かされた側はモヤモヤです。
- そんな重い話されても…
- せっかくのアドバイス、聞かないじゃん…
- なんでまたこんな浅い関係で、こんな話すんの…鬱
感情の重しが、聞いてくれた人に乗り移っただけで、消滅したわけではありません。そしてなんのスキルもない聞き手が、人の感情を押しつけられても、ダメージを食らう一方です。
だから、人には言わず、ノートに書き出す。
それでもまとまらなければ、プロに話すことを勧めます。
感情の処理に、ただで人は使えない。そう、世の中の意識が変わっていくことを、強く願っています。