世の中には性格の曲がった人がいて、こちらが下手に出ると、つけあがる。
心の中でなめてかかって、「どうせコイツは言い返してこない。せいせいするまで痛めつけてやろう」と思っている。
素直な我々は、「私が黙って見過ごすことで、穏便に済むなら…」と苦笑いでやり過ごす。
多くの女性が取ってしまうこの態度。実は思うほど事態を丸くは収めない。
さらに相手をつけあがらせるのだ。
だとしたら、どうすれば相手を諌められるのか?
まず心に決めること
曲者に対抗する言葉は、いくらでもある。ただいきなりHOWTOだけを覚えても、上手く使いこなせない。大切なのはマインドだ。
だから最初にマインドを決める。
おそらくあなたは、「自分なんて」「自分さえ」といった気持ちを持っていることだろう。
自分の地位は人より全然低くて、存在価値は取るに足りないもの。
そう思っている人は、叩かれると、まずそれを受け入れてしまう。
「自分の存在が悪いからだ」と相手の言い分を正当化する。
一方で、「なんて理不尽なことをするんだ!」という怒りも持つ。
自分の存在を否定し、自分の存在を否定した相手を怒る。
このとき、自己否定と自己擁護が拮抗してマインドが膠着し、行動が止まる。
なので、拮抗を解くことから始めたい。
自己否定を取り去ってしまおう。
そうすれば、自己否定という邪魔が入ることなく自己擁護できる。それ即ちしっかりと自分の味方に軸足を置いたマインドで挑むことができるようになる。
自己否定の取り去り方は一筋縄ではいかないので、まず自分にどういうイメージを持っているかを洗い出し、それは本当かを確かめ、違ったら別のイメージをすり込んでいく、を繰り返す。
「心の流れ」のカウンセリングでもそれを行っている。
自分にふさわしい言葉を探す
自己否定を取り去ることができたら、次はなんと返せばいいのか、を学ぶ。
興味深い本を見つけたので、まずそれを紹介させて欲しい。

- 作者: 大嶋利佳,朝倉真弓
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2017/02/25
- メディア: 単行本
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これは自らを守るために敬語を使いましょうという主旨の本だ。
敬語を使う以上、無礼にはあたらない。
敬語を使う以上、敬意を無視することはない。
使うのに安全で、間違いのない言葉を紹介している。
真っ向からのケンカが苦手、汚い言葉を言いたくない、という人にうってつけだと思う。
この中で特にセクハラやパワハラに使えそうな台詞がこれだ。
「そのようなことをおっしゃるとは、○○様のお言葉とはとても思えません」
セクハラやパワハラをやってる側は客観性を欠いている。そこに「○○様のお言葉(行い)とはとても思えない」と言われると、いやがおうでも第三者的目線に気づかされる。
そしてふと我に返って、「あれ?これをやるとオレの評価だだ下がり?」という疑念を抱きだす。
こうなると自分に意識が向かうので、「ヤバい」というスイッチが入って、行為を慎むようになる。
このように行為を制する効果があるだけでなく、「あなたはそんなことをしない立派な人」ということを前提としているので、無礼にもならない。
これを言った後、あなたに何かが飛び火することもないだろう。
敬意と警告が最強のタッグ
どんなに曲者でも、自分のイメージが損なわれることを嫌う。
そこを上手く利用して、牽制する。
さらに敬意を忘れてませんよ~を臭わせると、相手の攻撃性を封じることもできる。
敬意で相手がカッとなるのを封じ、警告でイメージの低下をアピールすれば、鬼に金棒だろう。
黙って見過ごすより、ずっと我々の株が上がる。
どんな人もハラスメント(嫌がらせ)を受けることがあってはならない。
見過ごせば、している側は自覚なく繰り返す。
だからちゃんと闘おう!
もし言うのが怖い、というなら、自分が自分の代理人になった気持ちで言ってみる。
人は誰かのための行動をするとき、自分のためより何倍か責任感を持ってやり遂げられる。
ご紹介した本の巻末に「闘う敬語 武器フレーズ25選」が載っている。上手に使いこなして、堂々と曲者に立ち向かいましょう!