坂上忍さんや遠野なぎこさんなど、自分の思ったまま素直に表現する人に共感
する人が増えている。
今までは礼儀正しく理性的な人物が、芸能人として求められていたが、これからは
心の声を出せる人に人気が集まるのだろう。
というのも、今までは”こうあるべき像”を目指して努力をしていた人々が、不況や
自然災害など自分ではどうすることもできない現実を目の前にして、理想を追い求める
バカバカしさに気づき始めたからだ。
理想は自制が伴う。自己を抑制しても益がないなら欲のままに生きたいと思うのは
当然だろう。
では、ぶっちゃけキャラは本当にいいのか?
私はそこが疑問だ。
坂上さんは潔癖症、遠野さんは母子関係という心の問題を抱えている。
本当は別の所に問題がある。その問題を見ないように、一見すると関係ないところに
極端な形で心理が投影されているのが、外から見てぶっちゃけキャラに見えている
だけではないだろうか?
もちろん本人達は、本気で潔癖であることはいいこと、多くの男性とつきあうことは
いいことだと信じている。
だからこそ、視聴者に”欲に素直”と捉えられているのだ。
人の心には天使と悪魔が住む。
欲に忠実であれば悪魔の方が目立って出てくる。
でも、私は天使も悪魔もないんじゃないかと思う。
”然り”であれば、即ち中庸のまま悩むという自然な姿であれば、良きにも悪しきにも
傾かない。
ただし、中庸というのは、相当考え抜いた人間の到達する域であり、それを知る
人も体感する人も少ない。
とすれば、凡人の領域である天使か悪魔かの方が、分かりやすく共感を得られやすい
のである。
欲に飼い慣らされている人は、本当は苦しいと思う。
いつ本当の自分に向き合うのか?人気があれば己の葛藤は無視するのか?
今後の二人に注目したい。