学生の頃、よくスキーをしていて、とあるスキーチームにお世話になっていた。
そのチームは、子供から年配まで幅広い年齢層の構成だった。
参加している人は、みな人柄が良く、和気あいあいと合宿に参加したものだ。
そこにチーム設立当初から参加している会員番号1番のおじさんが、やたらと私を
気に入った。
ちなみに独身で、当時55歳くらいである。
事ある毎に近くへ寄ってきて、一緒に滑ろうという。
友達も参加しているので、もちろんお断りはしたが、ツアーが終わっても年賀状を
送ってきたり、連絡を取ろうと画策したらしい。
まあ、当時チームは関西で、私の大学は名古屋だったので、近所でばったりということは
一切なかった分、安心していた。
1年ほどたった後、そのおじさんから宅急便が届いた。
バカでかい。
なんだろうと開けてみると、私のスキーを滑る写真が大きく引き伸ばされて、額縁に
いれられている。
あ”っ・・・。
私は、自分の滑る姿を直視するのが好きではない。よって、ほれぼれとスキーしている
写真を眺めるなど、したくはない。
でも、おじさんからすれば、カッコイイスキー姿だったらしく、引き延ばしたのだろう。
もう一枚は、私がつったっている写真が入っていたけど・・・(苦笑)。
ものすごく気分が悪かった。
望んでいない、場所もとられるものを届けられて迷惑きわまりない。
お礼など、到底言う気になれず、押し入れの奥にしまって、ムシした。
次の年のスキーツアーで、スキークラブの会長から、「おじさんが写真を送った
のに、なぜお礼も言わない?」と言われた。
「は?」って感じ。
なんで、迷惑をかけられて、お礼まで要求されるんだ?
ものをあげることは、いいことなのだろうか?
時として、単純に処分に困るだけのものを押しつけられて迷惑なこともあるのに。
ものをあげることを通して、感謝されたいという欲望を相手に押しつける行為の
どこにも、感心はしない。エゴイストだ。
ありがた迷惑なんて、単純な欲望の押しつけ以外のなにものでもない。