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モンスター妻と離婚するのが正解なのか

プレジデントオンラインの頭が沸いている"モンスター妻"の怖い生態 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Onlineに、介入の方法が違えば離婚は回避できたかも?という思いを抱きました。

一つ一つ取り上げていきます。

結婚10年目の夫婦 夫と妻、9歳と6歳の息子という家族構成の桜井さん一家

昨年末のある夜、亮一さんの家族は4人で漫才番組を観賞していました。家族みんなで大笑いし、なごやかな楽しい時間でした。ところが、長男が「オレも絶対、吉本入るわ~!」と叫んで、次男と2人でお笑い芸人のネタの真似事をはじめたところ、妻が突然、こう言ってキレたといいます。

「うるさい! 静かにしろ!!」

まだ10歳にも満たない子供です。お笑い芸人の真似事もするでしょう。また大言壮語も吐くでしょう。何がカンに障ったのか。亮一さんは戸惑いながら、こう声をかけました。

「ちょっと調子に乗って言っただけじゃないかな」

それはまさに「火に油」。妻はテーブルの上のグラスや料理の皿を、次々と亮一さんに投げつけながら、怒鳴りだしたといいます。

この情報から浮かび上がるのは、妻がキレやすく、寛容さに欠けるということ。ですが見方を変えると別の様相が浮かび上がってきます。

たとえば妻は「テレビは座っておとなしく見るもの」「我が子は大学に入って堅い勤め人になるべし」という価値観の持ち主だったとします。そこへ息子たちの芸人になりたいアピールが始まる。”はっ?子供のくせになに好き勝手いってんの?”という思いが浮かんだ瞬間、理性は飛び、怒鳴り声で牽制してしまいました。

この時、妻には自分が悪いという感覚は微塵もありません。悪いのは親の思いを知らずにいる子供たち。それなのに、夫は子供を援護。”私を援護するならともかく、間違ってる子供たちの肩を持つわけ?”という思いに駆られた妻は、ひどく傷つけられた気になった。そこで手当たり次第に物を投げつけたのです。

このようなことが起こった背景には、
・妻の強靱な価値観と、
・怒鳴ることでしか意を伝えられないコミュニケーションスキルのなさと、
・援護が受けられないと自暴自棄になる自尊心の低さ
があります。
妻が育ってきた家庭は、有無を言わせぬ両親に、ちょっとしたことで怒鳴られ、自尊心をズタボロにされる日常が存在していたのでしょう。

その辛い日を思い起こさせる出来事に強い拒否感を抱いているから、このような強攻に出ているのです。
特に自尊心については、非常に神経質。

平日、亮一さんは食事の用意や学童の送迎、そして妻が帰ってくるまで子供の世話をしています。
(略)
ただ、こうしたことが妻には「イクメン気取りをしている」とかえって不評だったようです。「悪ふざけをする子の味方をしている」として、烈火のごとく怒りだしました。

「あんたは当たり前のことをしているだけ! 調子に乗らないでよ!! 今日の料理だって味が濃いし、肉も固いじゃない」

夫の行いが、母親であるという自尊心を傷つけてると感じられるや否や、相手はケチョンケチョンに下して、自尊心の保全を図ろうとやっきになってる。誰にでも出る防衛反応の一種ですが、過度であることは否めません。

さて、怖~い妻は元々こうだったのでしょうか。

亮一さんは妻について「恋愛期間や結婚当初は、性格もおだやかでした」と語ります。ところが「課長」になったころから、残業も増えたようで帰宅時間が遅くなり、帰宅するなり夫に当たり散らすようになったと言います。だから、家はいつも怒号が飛び交い、“炎上”しています。

でも、その解釈だけで済ましていいんでしょうか?
元々自尊心が低いところに、大役を果たさねばならない重責が加わった。それに女性の管理職はただでさえ、やっかまれたり陰口たたかれたり、と精神的にも大変。ダブルの重荷を背負いきれなくなった…ことが今の強攻を牽引している気がします。

つまり、強くは出ていても心は助けを求めていたのです。
なのに、夫は妻のSOSを攻撃と取り違えました。

当初は感情のコントロールができない妻に動揺していた亮一さんですが、息を殺して嵐が去るのを待っているふびんな息子たちのためにも事態を早期解決しようと考えました。自分や子供に非があるとは思えない。しかし、頭が沸騰している妻に何を言ってもダメだろう。それなら謝るしかない。夫は息子たちと一緒に妻に謝り、何とかその場を収めたそうです。

妻がモンスター化しているのは、なにもかも抱えきれないほど疲弊しているからです。欲しいのは謝罪ではなく、「オレが助けてやる」のひと言。しかし腰の引けた夫は、危険回避と諦めのあまり、謝るという作戦に出てしまいました。こうなると欲しい言葉をもらえない妻はますますフラストレーションを溜めていき、なんでもかんでも謝らせて、その瞬間だけスッキリしようとします。これはイジメなどにも見られる支配-被支配の関係、放っておくとエスカレートしていきます。

結局この夫婦は離婚という選択をするのですが、果たしてこれで良かったのでしょうか? 子育てから解放された妻は仕事だけに専念できるので、心の負担は減ったかもしれません。虐待から逃れられた子供たちも安心が手に入るのかもしれません。

ですが、肝心の母親がモンスター化した原因については放置されたまま。
本当は妻には心のケアが必要だったのです。それにも増して育った家庭とは違う、温かい家族が必要だったのです。

物事の解決には、表層と深層の2層あります。確かに離婚をすれば表向きの問題は解決します。でもこの家族を引き裂いた病巣はそこではありません。

妻の心の問題、そして夫の妻のSOSを正しく受け取れない問題だったのです。妻ばかりが悪者に見えてしまうケースであっても、夫にも責任の一端はあります。そして離婚という表面上の解決を図ったがために、先延ばしにされた問題は、将来息子さんたにち降りかかってくるかもしれない。

暴力や怒鳴り声が怖いのは分かります。逃げたくなるものもわかります。ですから離婚を否定する気持ちはありません。ですが、こういう話を耳にする度、これで良かったのかなぁ~というもやもやした感じがするのもまた事実です。