心の流れBlog

心の守り方を考える

脳科学な観点から見るカウンセリングの効能

私は一応細胞生物学(主に遺伝)を学んだことがあり、多少医学的な知識を持っている。
さらに趣味でその手の本を読んだりしている。
自分のバックグラウンドにある知識を集めて、脳科学とカウンセリングがもたらす影響について書いてみたい。

一般的にカウンセリングとはクライエントの話を聴き、トラウマや恐怖症、不安症を取り除き、生きやすくなるための方法を共に考えるのが仕事である。

この「聴く」という動作が一体脳にどのような影響を与えるのか?を考えてみる。

脳には楽しいことを感じ取る側坐核、迫り来る危険を察知する扁桃体がある。
側坐核の存在により、人は食べ物を取ることや生殖することに悦びを覚え、扁桃体の存在により危険を回避し、生きながらえてきた。
しかし一部の人は扁桃体の動きが活発になりすぎることで、危険でないことまで危険と察知しおびえて暮らしている。これが精神的な病を引き起こしている。

扁桃体が活発になりすぎる理由は、遺伝的な要素と、環境的要素の両方がある。
遺伝的要素とは、言葉の通りDNAに刻まれた情報により現れる症状で、生涯変わることがない。
一方、環境的要素とは、その人の脳に降りかかってくる信号により脳に偏りが生じ、不必要な情報まで必要と勘違いさせているのだ。

カウンセリングは後者の場合に引き起こされる数々の悪影響を取り去り、バランスのよい脳を取り戻すための行為である(と思う。)
つまりすごく引いた目線でみれば、メスを持たない脳の手術をするみたいなもんだ。

脳には今までの人生経験から形作られたクセがある。
クセとは、あるニューロン(脳神経)の信号の通りやすさである。
たとえば、いつも罪悪感を感じている人は、目の前の人が深刻な表情をしただけで、「あっ、何か私、気に障ることをしちゃったかな」と思ってしまう。
これは、目から受け取った表情という信号が、ニューロンの中で一番信号が通りやすい「自分のせい」という回路を通過した結果、「気に障ることしちゃったかな」と認識したのである。

カウンセリングでは、「自分のせい」という回路を遮断し、「深刻な表情なのはその人の機嫌によるから自分とは無関係」という回路を新たに通すことをする。
これは認知療法と呼ばれる方法で、カウンセリングの世界で広く使われている。

人の脳というのは、他人から何を言われたかにより、かなり変成する(と私は思う)。
プラシーボ効果と呼ばれる思い込みで、医学的には効かない薬で効果が出るくらいなのだから。
ということは、周囲が「貴方は何かずば抜けて才能がある。絶対に成功するよ」と声を掛けていれば、その人はそういう風な生き方をし、反対に「貴方なんかには無理よ。必ずダメになる」と言えば、落ちぶれた人生を歩むことになる。

カウンセリングの門を叩く人の何割かは、周りから後者のような声の掛けられ方をされ、生きづらく感じている。ー自分の人生なんなんだ?ーと。
そういう人には、カウンセリングはかなりの効果が期待できる。

医学的問題を抱えているのではなく、脳神経のつながりに問題があるだけならば、感情を揺さぶるという体験を以て、脳の中身を変えていける。
ー感情ーすなわち共感やねぎらいが特定のニューロンへの過度な信号の流入を防ぎ、新しい認識がいままで使っていなかったニューロンへの信号を誘導する。

カウンセラーはいつもクライアントの脳はいまどんな状態なのかな?と気に掛けながら治療をしていくと、快方に向かう可能性が高まるのではないだろうか。

(これはあくまでKOMAの持論で医学的根拠はありません)