心の流れBlog

心の守り方を考える

プロとは3歩引くこと

ある人が外科を目指していたけれど、手術中に相手が人間でなく肉の塊みたいに取り扱われることに拒否反応を起こして、外科を諦めたと言っていた。

その時は、「そうだよねー、人間なんだから、感情を持つ相手として扱わなくちゃね」と同意していた。

けど、もし全てのことにおいて、「人間なんだから」ということをまっさきに考えていたら、作業が進まないんじゃないかと思い始めた。

たとえば医療現場における壮絶な傷跡。心を持った人間なら目を背けたくなるし、可哀想という気持ちが先だって、自分の感情に囚われてしまう。
でも医者はその傷の状態、それが起こった理由、処置法、生命に対する危険度を真っ先に判断する。

たとえば電気回路の修理現場。心を持った人ならユーザの困り度合いに共感し、そこに気を取られる。
でも修理士はその状態が起こる条件、状態の頻度、外観より分かる問題点を真っ先に探ろうとする。

作業の際、ユーザが取り乱していたら、それを落ち着けるために共感のふりを見せることはあるが、それはあくまでもその先の作業をスムースに行うための手段でしかない。

プロというのは、現場の最前線にいたとしても、自分の心を引っ張られてはならない。
3歩引いて、必要な要素を判断し、それを状況に応じて小出しにしていくしたたかさを求められる。

教師でも、営業マンでも、自由業でも、公務員でも、そこはきっちり心に留めておくことだ。
そうじゃないと、そこらへんの素人さんとなんら見分けが付かなくなる。
プロというのは、心理的に厳しく律した立場が求められる。

だからこそ金銭対価が生じるのだ。